東京大学名誉教授・篠原修(景観工学・設計計画思想史)が手に取った本の内容を、本人の語り口で紹介する書棚のぞき見企画。
GSデザイン会議のメールニュースで配信された約200本に及ぶ記事から編集部でピックアップして掲載します。
今回は第一回分を掲載。
岩井克人氏の著書三本。
経済、哲学、社会学のすゝめ。
2013年6月17日 篠原修
結構暇なのと出張が多いので、相変わらず手当たり次第に本を読んでいます。
GSは如何にも会員相互の交流が少ないので、そのきっかけになればと考え、今後随時読んだ本の感想を書きつける事を試みます。
今回は経済の本。
岩井克人著
・『資本主義から市民主義へ』新書館, 2006
・『貨幣論』ちくま学芸文庫, 1998
・『二十一世紀の資本主義論』ちくま学芸文庫, 2006
高校の同級生の縁で岩井さん(東大経済の名誉教授)を知りました。
経済の事は全く分からず、また金融などの分野は嫌いなので(これでは金は溜まらない)、手にする事もなかったのですが、東大に散歩がてら生協(これも嫌い、何故だか分かりますよね)の図書に行き、ブラブラと本を漁った処、岩井さんの名前を見つけました。
何かの縁だと思い、「資本主義から」の本を買い事務所で読んだ処、これが面白かった。
著者が気に入ると全て読むのが悪い癖で、貨幣論以下を次々に読破。
面白かった理由は色々ありますが、主な処を二つ。
岩井さんの経済の本は、三分の一が経済、三分の一が哲学、三分の一が社会学だという点です。つま…
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