土景 -GROUND VIEW-

大地の見かたを自分のものに、土景。

ALL INTERVIEW REVIEW NOTICE
NO.74
西倉美祝 vol.3『見立て、重ね、空間をつくる』

一つは、船の象徴的な形。もう一つは、機能主義的な形。それから、自分で動かして利用者の人たちが独自につくる空間体験もあるし、家具の一部が入れ替わる新陳代謝をしていくことも考えられます。こうした四つの形が今後想定される。定期的にオフィスに伺わせて頂くと、御施主様や利用される方々が、がんがん家具も動かすし、自分たちに合うように家具を切ったりもするんですよね。どんどん人が入れ替わって、空間が新陳代謝していくということは、もともとの形から変わっていくということですけど、家具それぞれの機能は持続的に関わっていて、だんだん使っていくうちに御施主様たちが使い方を見いだしていきながら、フィットしなくなった家具は処分されて、移転の際には新しいオフィスに行く家具もあれば、この場所に残るものもあるし、あるいは他の人に譲られるということもありました。

REVIEW
2023/04/28
#西倉美祝
#為末大
NO.73
西倉美祝 vol.2『商業空間にあり得べき公共性』

自分の中では「商業空間や民間の空間というものが何かしら公共的である」ということにリアリティーがあったので、とにかく商業空間のリサーチをしたいと思ったんです。たとえば、物を買うという行為は、棚にある物を取ってレジに持っていくというように、決まった動線に従って、決まった動きをするという型があると思いますが、たまに、それから外れて自由なことしてる人というのがいますよね。その変なことをしている人を見つけることで、商業空間の公共施設と異なる可能性を考えるきっかけになるのではないかと思い、「予期していない面白いことをやっている人を見つけてこよう」と。

REVIEW
2023/04/24
#西倉美祝
#川添善行#山本理顕#菅原大輔#大野力
NO.72
西倉美祝 vol.1『オルタナティブ・パブリックネスのすゝめ』

自分が生まれ育ったのは千葉県柏市の端っこの方、郊外でも田舎でも都会でもない所で、コンビニの前や駐車場で遊んでいたのが原風景なんです。 でも、大学に入って建築の勉強を始めてみると、広場や都市、ストリートなどの言葉で社会と建築の関係を理解させる教育がされていて、公共施設が社会をかたちづくる一番強いものとして扱われていました。自分が考えている社会像と、大学で教えられている社会像に大きな違いがあったんです。 それなら、自分なりにリアリティーのある社会像――つまり国家とか地域とは別の軸で、世界中につくられている民間の空間から考えられないかと。

REVIEW
2023/04/18
#西倉美祝
#ハンナ・アレント
NO.63
【特別企画】『都築響一、工藤正市の魅力を語りつくす』(動画あり)

それだけではない、東京の人は「厳しくて寒くて辛い青森が見たい」。でも、工藤さんが撮ったのは「悲惨なものは一つもない。貧乏な暮らしの中にもある小さな喜びの瞬間」。「青森の人は“こういう青森を見てほしい”、でも東京の人は“こういう風に青森を見たい”」という視線の温度差。「メディアの眼は歪んでいるのを思い知らされる」と静かに憤る都築さん。それは町中の心揺さぶられる表現を探して日本中をめぐり、取材してきた都築さんの実感からくるものだろう。SNSで話題になり、世界からも賞賛の声が届く工藤正市の写真。だが今もその写真が美術館で展示されることはない。

REVIEW
2023/02/23
#都築響一#小川純子
#工藤正市#土門拳#木村伊兵衛#マーシャ・イヴァシンツォヴァ#ザハリア・クズニア#田中忠三郎
NO.62
篠原修の「面白かった本」その8

日本映画の巨匠と言えば、様々な名前が挙がるでしょうが、まあ黒澤明、小津安二郎を挙げるのが穏当な処でしょう。この両名に、今回は山田洋次を加える事にします。まづ黒澤明。一緒に脚本を書いていた橋本忍の『複眼の映像』が秀逸でした。2 ヶ月も旅館に泊まり込みで生活を共にし、朝10 時から午後5 時まで脚本の執筆。脚本は同じ場面を競争で書き、良いものを取る。こんな辛抱ができますか。大変な忍耐力とエネルギーです。僕はできそうも無い。家に居て原稿を書いている時でも、すぐに外の散歩に逃げたくなる。この本を読んだ時、我々は「まちづくり」でこんなに集中して考えているだろうかと反省させられました。

REVIEW
2022/11/04
#篠原修
#橋本忍#黒澤明#貴田庄#小津安二郎#新田匡央#山田洋次
NO.61
篠原修の「面白かった本」その7

どういう風に本を読んでいるか、その結果どんなよいこと、まずいことが起こったかを思いつくままに書くことにする。まず第1に、専門および専門に近い人の本は余り読まない。第2に、ルポルタージュの類の本は読まないことにした。第3に、都市や景観に興味をもっている文科系知識人の本を好んで読む。第4に、独自の研究分野を拓きつつある学者の本もよく読む。第5に、専門には全く役に立たないエッセイの類。これを最も好んで読む。今ではもう1つの読み方が加わっている。1冊の本から1つでもヒントが得られれば、もうけもの。いよいよ読み方が邪道になってきたのです。

REVIEW
2022/09/20
#篠原修
#夏目漱石#永井荷風#内田百閒#丸谷才一#山崎正和#梅原猛#梅棹忠夫#養老猛司#多田富雄#網野善彦#寺田和巳#吉田健一#堀田善衛#團伊玖磨#半藤一利#玉村豊雄#藤原正彦
NO.60
篠原修の「面白かった本」その6

今回の本は、面白いというよりショックを受けた本。多少週刊誌的になりますが容赦ください。 『安部公房とわたし』。帯に「文壇騒然」とあります。それはそうでしょう、果林が安部公房の愛人だったというのは誰も、ごく親密な人以外誰も知らなかったから。安部公房は漱石の次に尊敬している作家で、本当はノーベル文学賞をもらって然るべき作家でした。読んでいる内に段々嫌な気分になってくる事を避けられませんでした。後味は悪いのですが、読んで良かったとは思います。こういう安部公房もあったのだという意味で。

REVIEW
2022/09/01
#篠原修
#山口果林#安部公房
NO.59
篠原修の「面白かった本」その5

今回は喜劇に関する本でいきます。 今回のお勧めの本は小林信彦の『日本の喜劇人』新潮文庫で、古川緑波、榎本健一以下の代表的な人物が論じられています。喜劇と言っても世代差があるので、若い人には違和感があるかもしれませんが。篠原は1945年生まれなので記憶に残っているのは1950年代後半からのもの。中・高・大と大いに楽しんだのに、その手の本を読んだのは極最近で、もっと早く読むべきだったと後悔している。ドリフターズから子どもっぽくなり、今のお笑いタレントの質の低下は見るに耐えません。「テレビの黄金時代」も併読されるとよろしいかと。ただ見ていないと本では分からないかとも思いますが。

REVIEW
2022/08/24
#篠原修
#小林信彦
NO.58
篠原修の「面白かった本」その4

約束通り、前回に続いて建築。 伊東さんの本を受け取ってからすぐに隈研吾さんから本が送られて来ました。題は『小さな建築』岩波新書。彼のイメージする小さな建築は、水のレンガ(よく工事で使っている水を入れる赤いタンク)やハニカム、折るや膨らますの構造です。これらとインフラとの関係には触れる所なし。テーマは「自立」なのに。自立といえば上下水道、電気などのインフラに頼らない事を意味するので、内藤さんがよく引き合いに出すモンゴルの「ゲル」が頭に浮かぶのですが。何を言いたかったんですかね、彼はこの本で。

REVIEW
2022/07/21
#篠原修
#隈研吾#内藤廣#南雲勝志#山本夏彦
NO.51
篠原修の「面白かった本」その3

伊東さんが本を書いた動機は明快で、東日本大震災を機に建築を根底から見直さねばならないと感じたからでしょう。重要だと思う伊東の記述は「いわば目に見えない資本を視覚化する役割を担うのが建築家であって、彼らはその蓄積される場所を求めて移動を繰り返す。それが現代建築家なのです」。つまり、篠原流に言うと現代建築家は資本家の「下僕」だと言っているのでしょう。次は余りに正直で、笑ってしまった処。「つまり私は、歌(小生注、演歌)を通じてなら地域の人々とコミュニケーション可能なのに、建築を通じては必ずしもうまくコミュニケーションできていなかったのである」という下りである。聴いたことはないが、伊東さんは八代亜紀をはじめとする演歌は相当に上手いのだそうだ。そうだろうなあ、伊東さんの建築は地方の爺さん婆さんの心には響かないだろうと思う。

REVIEW
2022/07/15
#篠原修
#伊東豊雄
NO.50
篠原修の「面白かった本」その2

ある日本屋で失敗しても大した金でもなしと嵐山光三郎の「文人悪食」という本を購入。これが凄かった。漱石を始めとする名だたる作家、文人の食生活を調べ上げ、何を食っていたか、何が好物だったのかを詳細に書いている。 文章からでは伺えない文人の性癖が分かって、一読を勧める次第。嵐山は、一年の内八ヶ月は旅行をしているのだそうで、この「芭蕉紀行」はその面目躍如。芭蕉を伊賀上野から追って、奥の細道に至るまで足で歩いた芭蕉論になっている。本当に歩いたとは凄い。サラリーマンにとっては羨ましい。芭蕉が嫌いで、一茶信奉者の金子兜太。言わずとしれた著名な俳人。本は『荒凡夫 一茶』。

REVIEW
2022/07/10
#篠原修
#嵐山光三郎#田中善信#金子兜太#松尾芭蕉#小林一茶
NO.49
篠原修の「面白かった本」その1

結構暇なのと出張が多いので、相変わらず手当たり次第に本を読んでいます。経済の事は全く分からず、また金融などの分野は嫌いなので(これでは金は溜まらない)、手にする事もなかったのですが、東大に散歩がてら生協(これも嫌い、何故だか分かりますよね)の図書に行き、ブラブラと本を漁った処、岩井さんの名前を見つけました。何かの縁だと思い、本を買い事務所で読んだ処、これが面白かった。理由は色々ありますが、主な処を二つ。岩井さんの経済の本は、三分の一が経済、三分の一が哲学、三分の一が社会学だという点です。つまらない需要供給曲線や均衡の算数などは皆無。流石、「経済思想」が専門と称するだけの事はあります。

REVIEW
2022/07/07
#篠原修
#岩井克人
NO.33
伊藤遼太 vol.5 『時間を込めて空間をつくる』

時間を蓄積する空間として、土や埃が溜まっていっても良い、というのが頭にありました。地下室であることも功を奏したと思います。祈りたくなるような場所だと言ってくれる人が多くて驚いたんですけど、是非皆さんにも、ここでぼーっとしながら、音楽や土に想いを馳せて欲しいです。もう一つは、逆に対比的なものとして話したいプロジェクトで、トレーニングジムを設計したんです。こっちは人が主役の時間という考え方をしました。これらの事例は、それぞれ“非覚醒状態”と“覚醒状態”を意識して設計したプロジェクトで、僕の中では時間というテーマで繋がっています。

REVIEW
2022/04/11
#伊藤遼太
NO.32
伊藤遼太 vol.4 『第三の狂気、蕩尽、ぼーっとするとき』

なんか、僕は、木漏れ日を見ながら、部屋の中でぼーっとしてる時間、大好きなんです。前後の文脈から解体された時間みたいな瞬間があって。ここでいう永遠の現在の現前というのは、今が今のためにしかないということです。「陶酔の原則」と「奇跡的な価値」ですよ。くたびれて労働から帰ってきた人が、ああって言って、机について、お酒をついで、つっと一口飲む瞬間。まさにそのとき、時間は消失している。何の役にも立たないが、全てから解放された瞬間がある。それは具象の知覚にだけある時間であって、客体として概念化された時間の外側のことである。

REVIEW
2022/04/08
#伊藤遼太
#木村敏#ジョルジュ・バタイユ
NO.31
伊藤遼太 vol.3 『風景、建築、部屋の時間』

そうなると、スケールに則して、時間的な厚みの違いのようななものがあるわけです。風景みたいな大きなものから、建築、そして部屋まで。さらに、こういうことをより細かいスケールで空間の内部に見ていくと、どうなのか?そう考えたときに、僕は禅の庭の見立てが参考になると思います。苔が生えていて、これは瑞々しくもあり、枯れてもあり、うつろうものである。山肌を表したような岩は、自然に風化されたもの。この白い石は水を表していて、常に浄化されたものとしてある。後ろの塀は土の荒い壁で放置されたものがある。いくつかの時間を表現するものを、一つの空間の中にすごく意識的に配置して構成しているんです。苔や岩や清浄な白い小石というのは、要は森とか山とか水というものの見立てで。逆に、奥のみすぼらしい土の壁を借景していることで対比をつくっている。

REVIEW
2022/04/05
#伊藤遼太
#内藤廣#カルロ・スカルパ#ミース・ファン・デル・ローエ#西沢立衛#安藤忠雄
NO.30
伊藤遼太 vol.2 『杜甫と芭蕉とアルプスの山』

空間を見るときにも、僕たちは漠然と時間を感じてるはずだ、というのが僕の意見です。たとえば、杜甫の『春望』という、「國破れて山河在り」の句で有名な詩がありますよね。この詩に書かれた体験では、まさに一つの風景を見るときに、その中に過去を想起して、空間から時間を読み取っている。では、その時間の正体とは何だろう。そう考えたときに、そこには何かしらのきっかけがある。自然の素材が時間のメタファーとして感じられることって多いんです。だから、原初的な時間というものは、身の回りに転がる物質の表情そのものなんじゃないか。

REVIEW
2022/04/02
#伊藤遼太
#中井祐#アンリ・ベルクソン#杜甫#松尾芭蕉#見田宗介#山口昌男#ロバート・ベンチューリ#木村敏
NO.29
伊藤遼太 vol.1 『時間から空間を』

客観的に時間を捉えようとすると、時計で計られるような時間があります。あらゆる運動体の周期性を利用して測定された、抽象的な物理現象として、均一性があって、過去に戻ることも、未来に進むこともできず、無情に過ぎ去る時間と考えられている。ただ、僕が問題にしたいのは、主観的な時間――人間の時間の感じ方のほうなんです。というのも、僕たちが過去や未来を感得するためには、現在を基準にしか考えられない。記憶を頼りに過去を想像し、想像力を頼りに未来を起草するというように、現在を拡張するというかたちで、時間を幻視しているというのが事実だと思います。

REVIEW
2022/03/30
#伊藤遼太
#マルティン・ハイデッガー#和辻哲郎#バーナード・ルドフスキー#二川幸夫#ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン#イマヌエル・カント#アルベルト・アインシュタイン#チャールズ・ダーウィン#フリードリヒ・ニーチェ#ル・コルビジェ#クロード・レヴィストロース#フリードリヒ・ヘーゲル#ジョージ・フレイザー#ジークムント・フロイト#カール・グスタフ・ユング#エトムント・フッサール
NO.18
丹羽隆志 vol.4 『ベトナムに2つの橋を架ける』

いま橋の設計にも取り組んでいます。ホーチミン市の歩道橋のコンペのプロポーザルで優勝したもので、このコンペではシンボル性が強く求められていました。僕たちは、ホーチミン市の未来にメッセージを伝え、意味のあるかたちをシンボルとして据えたいという考えで進め、着目したのが水辺の植物ニッパヤシの風景です。この木は建材としてひろく使われ、また果実は果物として食され、お酒の原料にもなります。かつて人々の生活の脇にたくさん植えられていたもので、ホーチミン市の起源を語る一つの記憶として残していきたいと考えました。植物の葉のかたちを意識して、名前を「サイゴンの葉」と名付けて提案しました。

REVIEW
2022/02/22
#丹羽隆志
#大島芳彦
NO.17
丹羽隆志 vol.3 『ハノイでの独立と新たな展開』

プライベート空間とパブリック空間の間に挿入されたフェンス。 Pizza 4P’s Phan Ke Binh では、その仕切りに飾りとして使われている鋳物を、レストランの風景の一部として使いました。鋳物のスクリーンと外側の風景をレイヤーのように重ねていくことで、ハノイらしい風景が生まれます。 nanoco gallery では、大木が朝日を和らげます。木自体をデザインの一部だけでなく、機能の一部として使ったわけです。複数の外装によって環境を調整する機能をもたせてここだけの風景にすることができました。一風堂ベトナムでは、生きた緑と木の箸の立体的にねじれたスクリーンをつくっています。ここで使ったお箸は本物です。コンセプト段階では既製品の大量生産の箸を指定していたのですが、いざ始まってみると、工務店が大量のお箸を簡単に作ってきたんですね。それを使っています。

REVIEW
2022/02/22
#丹羽隆志
#ヴォ・チョン・ギア
NO.16
丹羽隆志 vol.2 『VTNアーキテクツ時代の発見と実践』

最初はサスティナブル教育を始めたいということでプロジェクトが始まったのですが、進めていくとそもそもベトナムにはまだサスティナブル教育のプログラムが無い、ということが分かってきて。それでサスティナブルな住まい方とは何か、生き方とは何かという教育の在り方そのものに考え方をシフトさせていきました。建物に植物を使っていくということは他にも色々なかたちでチャレンジし、また一方で、VTNでは竹構造のプロジェクトにもトライしてきました。この会議場のプロジェクトでは、竹で15mのスパンを飛ばしています。

REVIEW
2022/02/22
#丹羽隆志
#ヴォ・チョン・ギア
NO.15
丹羽隆志 vol.1 『デザインは語るか?ベトナムからの挑戦』

2010年からベトナムに来て、設計をしています。4年前に自身のオフィスをハノイで立ち上げました。ベトナムに来て、僕が最初にびっくりしたのが、植物の力強さでした。高温多湿の国で、非常に雨が多く、燦燦と太陽も降り注ぐ。その中で奥深いジャングルが育まれています。その実りを用いてつくりあげたオリジナルで豊かな文化があり、その自然と文化の二つが組み合わさったダイナミックな風景がある。それがベトナムの魅力です。一方で、長く戦争に見舞われた国でもありまして、直近では1945年にベトナムから日本軍が撤退したときにホーチミン主席が独立宣言をおこない、フランス、アメリカとの戦争が続きました。1979年に最後の大きな戦争になった中越戦争があって、やっと落ち着いたと。僕が生まれたのが1979年なので、僕の年齢の分だけ平和が続いている貴重な時代です。ドイモイ政策と呼ばれる経済開放は1986年に始まって、それ以来、外資をとりいれながら非常にハイスピードで経済が成長しています。

REVIEW
2022/02/22
#丹羽隆志
#ヴォ・チョン・ギア#崎谷浩一郎
NO.11
吉田葵 vol.4 『樹海を歩いて、小さな庭を考える』

富士宮は皆さんご存じのように、富士山との関係がすごく強い土地です。このプロジェクトの対象地は、鋼材を主に取り扱ってる工場の敷地内にあり、小さな庭空間のデザインでした。そこで、今回デザインするお庭は、空間と富士の空気をつなぎ直すことを建築の方々と話し、富士の樹海に行って、樹海はどういう風景、構成になっているのかを探しにいきました。富士の溶岩を半割にすることで、岩肌の質感を見せた飛び石を構成し、砂利も富士の山砂利を採用しています。樹種にも富士の樹海にあるものをレファレンスとし、田湾風景とは違った風景を、囲われた小さなお庭につくっていきました。

REVIEW
2022/02/21
#吉田葵
NO.10
吉田葵 vol.3 『住み継がれる農家住宅を考える』

農家住宅が住み継ぎのタイミングで、土地をどう残し、どう引き継いでいくかということは、とても重要なポイントになっているかと思います。農地を持ち / 持っていたことから面積が大きいため、切り売りし、継承されてきた暮らしと切り離されていくという現象が起きている。これらの背景から、「場と人をつなぎなおす」というのが一つのテーマとなりました。現在の暮らしをお伺いしていると、施主とみどりの関係が非常に深い。一方で、客観的に場を分析していくと、色々な要素が混在し、どこから手を付けて良いのか分かりづらい状況であることが分かりました。

REVIEW
2022/02/21
#吉田葵
NO.9
吉田葵 vol.2 『風景を歩く、見る、聞く、構造化する』

「この場所はおもしろい」「何かあるはずだ」「混とんとしている雰囲気がおもしろい」と感じているのですが、その理由がなかなか分からない、言語化しづらい、ということで、ランドスケープ的な視点から探れないかと始まりました。風景を読み解くために何を行ったかというと、「歩く」こと。データを見ながら、地図上でビジュアル化し、眺めて、また歩く。今一度、俯瞰して町の構造を眺めると、蛸島は山・海への軸がずれている。建物は山の軸に沿っているけれど、道路は海の軸に沿っている。あるいは地形図で5メーターピッチで、べたって描いてしまうと、海抜の低いところは平らに見えるんですが、実際に歩いていると、起伏があり、そういうところから、この町の特徴というものが少しずつ見えてきます。

REVIEW
2022/02/21
#吉田葵
NO.8
吉田葵 vol.1 『風景を介して考える』

私は、単純に風景ってすごい魅力的だなと信じているというか、どこへ行っても同じものがないというのが風景の大きな一つの良さだと、シンプルな話なんですが、そう思っています。風景を見ながらその土地の営みなどを読み解いていくことは、とても楽しいなと思います。先ほどの写真を見た時に、皆さんが何に注目するかというのが興味があるところで。このように風景というのは一つの風景としてまとまりをもっていますが、様々な要素が絡み合っているということがよく分かります。

REVIEW
2022/02/21
#吉田葵
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