日本各地で外構設計や庭のデザインを手掛け、まちづくりや地域のリサーチにも取り組むなど、多岐にわたって活動するランドスケープ・デザイナーの吉田葵さん。
「風景を見ながらその土地の営みを読み解くことは、とても楽しい 。」
そう語る彼女にとって、風景はどのように見えているのか。近年の活動の中から、風景を考えるための手法と、その実践について語ってもらった。
最後のプロジェクト紹介になりますが、静岡県富士宮市のとある工場敷地内の小さなお庭への取り組みについてご紹介したいと思います。富士宮は皆さんご存じのように、富士山との関係がすごく強い土地です。このプロジェクトの対象地は、鋼材を主に取り扱ってる工場の敷地内にあります。そこに新しく建設する事務所の小さな庭空間のデザインでした。
撮影:升本尚希
一つの御要望としては、敷地内に、いろいろ制作したときに出てきた廃材が大量に置かれていて、こういった材料をお庭で使えたら使ってほしいとようなことがありました。そこで敷地内を観察をしていると、工場の資材や機材が置かれている場所のそばに、自分たちで棚を作り、こういうふうに一個一個、園芸品種を可愛がっているような風景もあったりして。従業員の方が自分たちで作るスキルを持ってる方がいらっしゃるというのが風景から伝わってきました。
周辺の風景は、畑と大きい一戸建てが並んでる…
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