日本各地で外構設計や庭のデザインを手掛け、まちづくりや地域のリサーチにも取り組むなど、多岐にわたって活動するランドスケープ・デザイナーの吉田葵さん。
「風景を見ながらその土地の営みを読み解くことは、とても楽しい 。」
そう語る彼女にとって、風景はどのように見えているのか。近年の活動の中から、風景を考えるための手法と、その実践について語ってもらった。
最初にご紹介するプロジェクトです。
この写真は海の方から集落を見た時の写真です 。
手前に奥行きのある砂浜があり、黒い瓦屋根と板張りの外壁をもつ家屋が連続している風景で、このまとまりがしっかり残っている町なみが特徴的です。
場所は、石川県珠洲市蛸島町です。本当に奥能登の奥能登、先端の部分に位置しています。もし珠洲へ行ったことがある方がいらっしゃったら、ぜひ教えてもらいたいです。
このプロジェクトは、スローツーリズムをこの町で展開したいという方々がおり、その方たちが「この場所はおもしろい」「何かあるはずだ」「混とんとしている雰囲気がおもしろい」と感じているのですが、その理由がなかなか分からない、言語化しづらい、ということで、ランドスケープ的な視点から探れないかということから始まりました。そして、その埋もれている資源的なものを新たな視点で発見していきながら、スローツーリズムのプログラムをつくったり、…
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